2019年07月26日

アメリカンドリームをつかむおばあちゃん

大きな話をしたい、とにかく大きくて、自分の身の丈にはあっていなくて、
雲をつかむような話がしたい、無謀な野心や夢を語り尽くしたい、と思ってみても
私の口からはあまりにも小さくて取るに足らない些事ばかりが飛び出してくる。


たとえば、喜ぶたびに「ヤッターマン」という言葉を使う老婆の話を
私をこれから書き始めることになります。

その老婆は「それは、ヤッターマンですね」といって喜ぶ。
それ以外の喜び方というのをしない。

だから、私はこの「ヤッターマン」が聞きたくて老婆を褒めて褒めて褒めまくる。

老婆というのは「褒めて伸びるタイプ」という年齢にはすでにいないのだ、
と、誰が断言できるでしょうか。

「ヤッターマン」という言葉が聞きたいあまりに私に褒められつづけた老婆は
晩年にいたって褒められ伸び子となり、なにか大きなことを成し遂げる
大人物になるかもしれない。その可能性はゼロではありません。

小さくて取るに足らない老婆の話が、いつのまにか、書いているうちに
少しずつ大きく、雲を掴むような話になっていたので、満足しています。
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Posted by あいだたけお at 18:57